当社にご来店された事のあるお客様はご存知かと思いますが、私どもが事務所にしております本社ビルはとても歴史のある古い建物です。 そしてJR三ノ宮駅北すぐととても立地条件のよい場所で営業させていただいております。
なぜこのような場所にあるのかと言いますと、この本社ビルが昭和前期にこの場所に建てられ、今なおこの地で建っているとても頑丈でよく出来た建物だからです。 戦火に負けることなく、昭和13年の阪神大水害、平成7年の阪神淡路大震災にも耐え今も尚建ち続けています。
本社ビルデータ
建物名 | 帝国信栄株式会社 本社ビル(令和元年現在) |
所在地 | 〒651-0094 神戸市中央区琴ノ緒町5丁目4番1号 |
設計者 | 清水 栄二 |
施工年 | 昭和前期 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 2階建 |
用途 | 事務所 |
備考 | 私的設計 |
国の登録有形文化財に指定されました
当社の本社ビルが国の登録有形文化財の指定を受けました。
登録主情報(概要)
名称:帝国信栄本社屋
年代:昭和前期
構造及び形式等:鉄筋コンクリート造2階建、建築面積273㎡、塔屋付
登録番号:28-0788
登録年月日:2022年(令和4年)10月31日
登録基準1:造形の規範となっているもの
解説文:
三ノ宮駅北側の市街地に所在する商業ビル。鉄筋コンクリート造二階建、交差点に面する角を御影石縁取りと垂直性を強調した柱形でセセッションを取入れた正面入口とし、側壁は表現主義的な円柱意匠とする。営業室の柱には変形したイオニア式柱頭飾を付す。
設計者 清水栄二とは
清水栄二(1895~1964)
東京帝国大学出身の建築家で、大学卒業後は神戸市役所に勤務、初代の営繕課長として小学校校舎の鉄筋コンクリート造化をになった。大正15年には清水建築事務所を開設し、御影公会堂をはじめ公共建築と住宅を中心に設計活動をおこなった。その生涯ですくなくとも87件の設計をおこなったことが確認されている。
当社ビルの施工年から考えますと、清水氏が神戸市役所で勤めながら「発亥会」を設立し、私的な設計業務を行っていた時に建てられたものだということが言えるでしょう。
※参考文献:日本建築学会計画系論文集 第544号「建築家 清水栄二の経歴と建築活動について」 川島智生
昭和3年度上半期~下半期、第15期と第16期の営業報告書です。この間に現在の本社ビルを購入し、神戸営業所から三宮営業所へと名前を変更しました。当社のお客様の中に、本社購入前の持ち主をご存じの方がいらっしゃるそうで帝国信栄の発注で建てられたものではないようです。
昭和18年頃に作成されたとみられる旧会社案内です。この頃当社は営業所が16店舗あり西は明石市、東は大阪市内までありました。本社は楠町にあり、現在営業している本社ビルは三宮出張所でありました。
住宅新聞に平成4年2月14号で掲載された記事です。現存する不動産会社としては最古であるとの内容です。
昭和26年、当社創立30周年の記念写真のようです。 この当時の社員を知っている人間も少なくなりました。